絵空事という言葉がある。ありもしない物や場面をさも現実の様に可視化する。それはモノづくりをする者にとっては大事なことだと思う。崇高な理想の芸術も、絵描きの夢物語を絵にすることから始まったのではないかとさえ思う。子供が盛んにたわいもない絵を描いて、自分だけの世界に入り込んでいるのも根本は同じで、子供にとっての大事な能力のひとつとして元々備わっているのかもしれない。私は出来ることなら、そんな能力(感性)を幾つ何歳になっても終生持ち続けていたいと思っている。言い換えればそれが私自身の心に映る風景なのかもしれない。本来の仕事である水彩画とは違っていても、これも私の表現のひとつなのだと思っている。
■静寂の夜
冬の満月の夜には、彼らは愛を囁くという伝説を聞いたことがある。
観た事がないので本当なのかどうかわからないが釧路湿原には夕暮れになると 確かに無数の丹頂鶴が集まっていた。
キャアーキャアという甲高い鳴き声も今も残っている。
絵は絵空事を具体化できるから面白いし、こんな絵もまた夢スケッチだと思っている。
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■ウイズコロナの社会では、様々な事柄が初めて気付くことが多かった。人動に本質の様なものが見えて驚くこともあった。そんな部分を垣間見ながら、
2020年から始まった新型コロナの世界的蔓延を記録する意味でも私はスケッチを続けた。日常の暮らしが一日も早く戻る事を願いながら。。。